俺と千佳 【中】

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「……悠さん……次は公園に行きたいです」 某大手ハンバーガーチェーン店を出て、また季節はずれの暑さの下に体を置くと、千佳はそうお願いをしてきた。 この辺で公園って言ったら……アレしかないよな……。 「公園って……神城公園で良いのか?」 「はい、たまには……体を動かして遊びたいです」 神城公園……。 この神城市が発展してきた理由の一つが、世界有数の実業家、財閥龍遠寺家がこの街に進出してきたことにある。 もはや国と同じくらいの力を持つ龍遠寺家が、神城市の環境を良くするために作ったのが、その神城公園。 使用は勿論自由。広さも申し分ない。 そして何より、神城公園は……俺とそのお嬢様が出会った場所だ。 とは言っても、龍遠寺家は今はここにはいない。家は普通に残っているけど、拠点は日本じゃないみたいだ。 「そうだな……。それも良いかもな。 でも……良いのか?ミニスカートで走り回ったら、パンツ見放題じゃん」 「パッ……!?も……もう!悠さん隙あらばエッチです!! そんな人にはもう見せてあげません!」 俺の言葉に、頬を膨らませながらそう返答する千佳。 パンツは見せてもらうものじゃなく……盗み見るものだ。(ミマサカ=ユータ) とは言うものの、それは俺にとって死活問題なわけで、とりあえず謝っておくことにしましょうか。
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