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俺の名前は三間坂悠太。
神城高校の二年に無事…というか余裕で進級することができた。
俺の人生は白と黒の二色しかないと思っていた。
普通の家に生まれ、普通の生活を今まで送ってきていた。
小学生二年生の時、栗色の髪をした少女と1日だけ遊んだことがあったが、その子は実はこの世界の九割を自由に動かせると言われている龍遠寺家の跡継ぎだった。
身分の違いとでもいうのかな?
父親に連れられていった少女を、俺は恐れ多くて止めることができなかった。
それ以来、その子とは会ってない。
それが今までの俺の唯一と言っていいほどの非日常だった。
あとは何もない…灰色の世界。
父さんと母さんと妹の有希と俺の四人で暮らしているこの家も、街も、何もかも普通だ。
そんな暮らしを幾年も繰り返しているうちに、俺は一種の虚無感のような感情を抱くようになった。
どうせ何をしても面白いことなんかないんだ。
そんな考えを持ちながら、俺は高校まで進み、そして神城高校で一年を無意味に過ごして、進級した。
そんな俺にとっての地獄のような毎日に、変化が訪れたのは高校二年の時の体育祭の日だった。
この日、俺の白黒の景色に、鮮やかな金色が付け足されることになった。
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