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「いや……どうぞって言われても……」
「そんな……照れなくても良いですよ……」
頬を紅潮させてもじもじしている千佳は……もはや俺の中で有希と同等か、もしくはそれ以上の最萌えキャラと化しているのだが、それはそれだ。
今は千佳の意図が全く読めない……。
何すればいいの……?
「……ヒントくれヒント」
「もう……悠さんは意地悪です……。
良いですか……?悠さんは…恋人同士なら朝絶対にしなきゃいけないことを忘れてます……」
千佳は随分と嬉しそうにそう言うけど……全くわかんねぇ。
いや……アレか……?あぁいうかんじのアレか……?
「……キス……?」
「はっ……はい……」
あ。やっぱりか。勘違いなさってるみたいですね。
まぁ……千佳も今まで誰とも付き合ったことが無いらしいから、そういった間違った情報を得てしまうこともあるわけだな……。
「別にキスしても良いけど……千佳、別に恋人同士の義務じゃないと思うぞ……?」
「ほぇ……?だって……テレビとか小説ではおはようのキスを……」
「残念ながら、ここは現実なんだな。いや、別に間違ってはないんだろうけど……」
俺がそう言い終わる前に、千佳は声にならない叫びをあげ、顔を押さえながらトイレの方に走っていってしまった。
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