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「千~佳~?」
トイレのドアを軽めにノックしながら、俺は千佳を呼ぶ。
ご丁寧に鍵まで閉めて……。
そんなに恥ずかしかったのか?
有希なら日常茶飯事な事なんだけどな……。
あいつは未だにキスすれば子供ができると思ってたはずだ。
よく頬にキスはしてくるけど、そう思ってるからか口にはキスはしてくれない。
まぁ、もっとも……寝ぼけて口にキスしたりはするんだけどね……。
おっと……話がそれた。
「千~佳~、笑わないから~!天照大神ごっこ止めようぜ~?」
結局、千佳が出てきたのはそれから五分後。
顔を真っ赤にしながら、何度も頭を下げてきた。
フヒヒ……かわえぇのう。
千佳はその後急いで朝食を作り終え、俺は千佳と一緒にその料理をテーブルまで運んだ。
「俺……こんなに豪華な朝食久しぶりかもしんない」
俺の目の前には、フレンチトーストに、スクランブルエッグから始まり、色々と良い感じの料理が並んでいる。
ホテルの朝食より少し劣るくらいの、日曜日の朝には勿体無いくらいのハッピーブレークファースト。
さすが俺の嫁。
「あ……ありがとうございます……。あの……さっきのは忘れて下さい……」
もう何度目かになる忘れて下さいというお願い。
うん、余程恥ずかしかったんだろうね。
だが断る。
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