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とりあえず、映画を見に行こうということで、そのまま神城市の映画館に直行した。
映画館では、アクションやら恋愛やらと、様々なジャンルの映画が放映されている。
その中で千佳が選んだのは、意外にも恋愛系。
しかも、舞台は神城市の伝説にある鏡湖という、今は無くなってしまった湖の物語。
何やら、天から降りてきた神様である神城鏡(かみしろのかがみ)って奴が、人間に恋をしてしまうというありがちな設定のものだ。
だが……油断していた。
「……良い話でしたぁ~……」
映画を見終わると、千佳が目を潤ませながら感想を述べてきた。
それもそのはず。
最後には誰も残らなかった。
かがみんは亡くなり、愛された男も亡くなった。
それだけだとただの悲劇なのだが、その亡くなると分かっていながらも愛し合っていた二人は、賞賛に値するというか、見習うべきだと思った。
「あぁ……凄かったな……」
ボキャブラリーの無さが嘆かわしい。
凄いとか、感動したとか……呆れるわ。
まぁ……そんなことは大きな問題じゃない。
「どうする?まだ余韻に浸ってるか?感想を話し合ったりして……」
「それも良いですけど……泣いちゃいそうなので止めときます……。
悠さん、次はウィンドウショッピングに……」
「ん。じゃあ……行こっか?」
千佳の意向に従い、俺たちは少し良い気分のまま、手を繋ぎながら映画館を後にした。
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