俺と千佳 【中】

15/64
117570人が本棚に入れています
本棚に追加
/535ページ
その後は、至って普通のデートだった。 ウィンドウショッピング……。 買う物を決めてから出かける俺にとっては、行き当たりばったりな買い物は新鮮なものだった。 とは言っても、買ったのはお揃いのストラップ。随分とベタな話だが、それはそれで悪くない。 俺の携帯には、付き合う前に千佳と二人で撮ったプリクラが未だに貼られている。 更にお揃いのストラップ。 これでペアルックなんてしてしまったらもうアレだが、まぁ……それは千佳も分かってくれるだろうな……。 次は服を見に行った。 相変わらず黒服が好きなようで、一つ一つ手に取り、時には試着して、俺に笑顔で似合うかどうかを尋ねてくる。 正直言えば、千佳は白い服も似合うと思うのだが、まぁそれは俺の意見なわけで、とりあえず俺は自分が思った通りの感想を述べる。 何でも似合う奴ってのはいるもんだしな。 最強に可愛い。 そして時間も時間だったので、俺たちは昼食をとった。 小粋な喫茶店にでも連れていければ良かったのだが、生憎そんなものは知らない。 その結果、某大手ハンバーガーチェーン店での昼食となってしまった。 でも、文句の一つも言わない千佳。 本当にありがたい奴だ。 何か恋人らしい食べ方をしながら、いつものように世間話や、ちょっとエッチな話などをしているうちに時間は過ぎていった。
/535ページ

最初のコメントを投稿しよう!