33人が本棚に入れています
本棚に追加
/53ページ
ドアのスピーカーを歪ませる
バスドラの響きとシンクロした 僕の心臓を貫いて
真っ白な光の矢が
次々とルームミラーの中へと飛び去って行く
時折見える、見知らぬ文字の標識だけが
僕の今いる場所を告げているみたいだけど…
この道の行き先は、分からない
僕はいつからこの道を走ってるのだろう?
ほんの数時間前からのような気もするし
もう何年も走り続けているような気さえする
たった一つのインターチェンジは
ついさっき通り過ぎてしまった
何を求めて走り続けるんだい?
もう一人の自分に小さな声で聞いてみる
でも、いつも答えは決まって同じ…
そう
「ただ、あの人の少しはにかんだ笑顔を見たいだけさ」
ってね
最初のコメントを投稿しよう!