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「それよりも、実は見せたいものがあるんです」
そう言って、マナはトランクの中を開けた。
中には長い物が幾つも入っていた。
どうやら組み立てて使うものらしい。
「これはレールガンと言います。大量の魔力を電磁力に変換し、その力で弾を発射します」
「新しい武器を発明したの?さすがね」
そう言いながらもアラミスは内心、驚いた。
銃開発の際、武器がもたらす殺戮の恐怖をマナは経験したはず。
しかも共和国で恐ろしい体験をしてきたばかり。
それなのに、なぜ……。
マナは言葉を続けた。
「これは試作品です。これと、私が保管している残りの銃を譲りたいんです」
「……マナ、どうして私に?」
「アラミスなら、きっと平和のために使ってくれるって信じてるから……」
マナの意味深な発言の真意をアラミスは捉えかねた。
「分からないわ。あなたやレイン達なら平和のために使うでしょ?」
「……」
マナは言葉を閉ざした。
と、その時。
微かにマナが胸を押さえて苦しそうに顔を歪める。
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