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ココアとチョコのあいだ
ある星の、ある街の、その向こう。
朝からその街に降り続いていた雪は止み、月がまあるく積もった雪をキラキラと照らしていた。
その中で静かに佇む二軒の家から、やわらかなオレンジ色の光がもれる。
片方の家の窓には、忙しなく動いている影が映った。
温かい、チョコレートの匂いと一緒に。
雪の日のバレンタイン、優しい出来事が、ぽつり、ぽつり、と浮かんでは消えていく。
この場所でも、優しい気持ちが泡のように膨らんでいた。
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