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そんな危険なことを、僕にやらせようとするなんて。いつか借りは返すぞ、ねこ。
「ただの気まぐれだろ。僕に聞かれても困る。そもそも何で今更鮫口絆なんだ?半年以上も同じクラスだったじゃないか。彼女が美人だってことは一年の時から噂されてたし。逆に聞きたいね、今更鮫口絆に手を出したがったのは何故だ」
そう、何もかもが今更だ。僕等がまだ一年の時で、鮫口絆の存在を知ったばかりだったり、三年になり同じクラスになったということで気になり始めたというならばまだ分かる。
しかし今はすでに冬だ。それにねこだって鮫口絆に纏わる逸話を知らないわけではないだろうし。
「話さなければ、ならないか」
ねこは両手を顔の前で組み、重要な話をするからな。といった目でこちらを見てくる。
こういう時のねこの話が本当に重要だったことは一度もないのだが。
「聞いても、後悔、しないな?」
おそらくするが。いや、確実にすると予告しておきたいくらい後悔する気がする。
「どうせ鮫口さんが帰り道で捨て猫と戯れていた所を見かけたとかだろ?」
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