第1章 告白

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中学3年生の鈴木啓太(すずきけいた)には好きな女子がいた。その人は長谷川瑞希(はせがわみずき)。同じクラスで中学2年生の時に一目惚れした。         「今日こそ、告白するぞ……」   「お前今まで何回それ言って止めてきたんだよ」   握りこぶしを作っている啓太の横で「やれやれ」と呟いているのは山崎光(やたざきひかる)だ。   「うるさい、今日こそ本当に告白するんだ」   「昨日もそれ言ってたし……」   朝の登校中の会話はいつもこんな感じだ。啓太の決意に光がつっこむ。   光は啓太の幼なじみで彼女有り。そんな光に先を越されて焦っているというわけだった。               今は3月。もう春の陽気が漂い始めたところだ。桜の花もチラチラと舞っている。そしてもうすぐ卒業。啓太と光は同じ高校に進学する。そして偶然か、瑞希も同じ高校だった。   「今日こそ絶対告白する!!」   啓太は作っていた握りこぶしを今度は高々と上に突き上げて叫んだ。
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