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『何故あんなに優しかった人がいっちゃうの...』
そう言った彼女は16歳
そう言われた私も16歳
旅立った彼も16歳
『何故あの人が...』
『あんなに良い人だったのに...』
優しかった人が少し早く亡くなると
こんな言葉がいろんな人の口から
ぽつり ぽつりと落ちる
それをかき集める
ボウルにいれてぐちゃぐちゃにまぜて
ふるいにかけた
最後に残ったのは
『なぜ?』
答えなど浮かばない
それでも私は答えを探す
『あの人がなぜ?』
『優しい人がなぜ?』
『あんなに愛された人がなぜ?』
虚無との抗争の中
ふわり ふわりと舞い降りた
優しさはきっと運命との同居
長い長い人生の中
人は泣き 笑い 学び
時には落ち込み
時には悲しみ
優しくなる
だが 彼の時間は短かった
だから彼の優しさは神様からのプレゼント
答えは知らない
でも
『なぜ?』よりも
その考えを胸に抱いて彼を見送りたい
そう思う
.
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