新学期

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「おい!拓起きろよ」 ぼくは顔を近づけ、大きな声で言った。 「んー……」 拓は布団の中でモゾモゾしながらも まだ目を開けない。   こいつはちょっとやそっとじゃ起きないんだ。   「遅刻するぞー!」 さっきより大きく拓の体を揺すりながら、ぼくは言った。   「眠いよー」   拓はなんとか重い目をあけたので、 ぼくがその腕を引っぱり体を起こす。   2歳下の弟、拓は今日から小学2年生だ。   「先に下行くから、早く来いよ」 ぼくはそう言い、急ぎ足で階段を下りた。
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