静かなる終末へのプロローグ

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 肌寒さが未だ残る週末。  俺は、繁華街の一角にひっそりと佇む美術館の中にいた。  雑居ビルの地下を利用して造られた空間は、廃墟に足を踏み入れたような独特の息苦しさとは無縁で、地上から隔絶されているせいか『日常から離脱し、自らを純化させる媒体』としての本質を一層際立たせている。 
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