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これは、2年にあがって1ヶ月たち、ゴールデンウィークが過ぎた頃のある日の話。
「みんな、転校生だ。今日から新しい仲間が増える。みんな仲良くしてやれよ」
クラスの出席を確認した担任がそう言った。
あぁ、なんか噂になってたな。
「龍崎です。龍崎一魔(りゅうざきかずま)。よろしく。」
「では龍崎、お前はそこの席だ。視力は大丈夫か?」
転校生・龍崎の席は窓側の端の列の一番後ろに作ってあった。俺の隣だ。
「大丈夫です。両方とも2.0ですから」
今時の高校生にしては珍しく眼が良いな。
「よし、ならあの席に座ってくれ」
「はい」
龍崎はそのまま席についた。
ハァ。この隣の席についた転校生がかわいい女子だったらなぁ
「わるいね。俺がかわいい女子じゃなくて」
おぉ、こいつなかなか鋭いじゃねえか。
「まぁね。というより俺は人の心を読めるんだよ」
「・・・」
俺の龍崎への第一印象は、『とてもとてもイタイ奴』だった。
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