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翠が突っ込んだ。
「ひとりかくれんぼ?何それ?1人でやる遊びじゃないの?」
違う……
「ひとりかくれんぼ?」
詩織が、もきゅっと首を傾げる。
「ひとりかくれんぼ……それは降霊術、深夜に開始する呪い遊びの一種だ。霊を鬼にして自分は隠れる。そして、朝まで隠れる。見つかったら死ぬらしいけど、今まで死者はいない。」
俺が二人に説明した。翠は楽しそう、と呟き。
詩織は、後ろに後退りした。
その詩織の手を引っ張り
「よっしゃ、明日の夜にこの学校でひとりかくれんぼするぞぉ」
元気良く声を上げたのは翠だった。
「「もう少し静かに」」
四人が突っ込んだ。
「夜って、学校の警備員がいるんじゃないかな?」
と弱々しく詩織が言う
「大丈夫だから、この学校の警備員を誰だと思ってんの?俺の兄貴だぜ?」
確かに将の兄はこの学校の警備員って事を聞いた事ある。けど、許してくれるのか?
「まぁ兄貴の代からこの学校で、ひとりかくれんぼをしてるらしいし、何かあったら兄貴と兄貴の友達に頼めばOK」
はぁ何だかなぁ……
相変わらず喋らない匠
少々肩が震えてる詩織
ヤル気満々な翠
ちょっと面白がってる俺
そして、楽しみな顔の将
明日、起きる地獄の事は誰も感じる事が出来なかった。
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