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何も無い暗闇の中で、一体の日本人形が宙に浮いていた。逆さまで
「も う い い か い ?」
とても、可愛らしい女の子の声。だが、何処か憎悪が込められている。
「ま だ だ よ」
今度は、男の子の声が、この場所から遥か遠くの方から聞こえた。
勿論闇の中で、何処に誰がいるのか見当もつかない。
「私は、一人かくれんぼがしたいの。あんたなんか見つけ無い。」
そう言って日本人形は闇の中に消えて行った。
残された男の子の声は、それっきり聞こえ無かった。
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