兆し

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少しずつ陽が落ちて行く。 莉真はぼんやりと窓の外を見ていた。担任が何か話しているが耳には入ってこなかった。どうせ大した話ではないだろう。 するとチャイムが鳴った。HRが終わる。 同時に莉真の時間が始まる。 「莉真ー!」 帰路につこうと廊下を歩く莉真の背後から声が聞こえた。声の主は隣のクラスの麻衣だった。 「莉真、今日生徒会寄ってかないの?」 麻衣は生徒会副会長。莉真も同じく副会長をしている。基本的に役員は放課後、生徒会室に集まることになっているが…… 「悪い。私今日バイトあるンだわ」 軽く断った。麻衣はただ分かった、と言い去っていった。
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