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優香…ここで出会った同い年の子。
可愛くて、ふわふわしてて、なんでこんな子が心臓病なんだろう、そう思うぐらい。
病名も聞いたけど、忘れてしまった…ただ治すのは難しい、それだけ覚えてる。
まだ私が入院したばっかで、余命のよの字も知らなかったとき、窓から青い空を見上げて…二人でここを出たら何をしたいかしを話した。
………今となっては叶わぬ夢だし、何を話したか覚えてないけど―――楽しかった、それだけは覚えてる。
優香がアメリカに行くのを決めたのはその後だった。
日本ではあまりにもドナーが少なすぎる、だからアメリカに行くんだって。
優香がアメリカに発つ日、その日だけ、私の病室のカレンダーに書いてある。
『優香、渡米』ってね。
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