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「お待たせ!」
思考を戻せばそこは雑踏のど真ん中。歩行者天国の片隅で、彼女が手を降っていた。
「あぁ……ううん」
待ち合わせ時間を15分ほど過ぎていたけど、別段怒る事でもない。人にはそれぞれ事情があるし、会えたのだからそれでいい。
「ね、喫茶店入ろっか」
パステルカラーのピンクに白いフリルを飾ったワンピースを纏った彼女は、少し気まずそうに入口へ足を向ける。
「話があるの」
小さな手が長い茶髪に絡んで、同じ色の瞳は僕を見なかった。
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