バイバイ……。誠君

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中条はびっくりしたような顔で俺を見上げていた。 俺は手を離してしまった。 「あっ!ごめん!」 沈黙が続く。 「矢田部君。一緒に手を繋ごう?」 中条はそう言いながら俺の手をにぎった。 小さな手で可愛らしく、そして、ぎこちなくて俺と一緒に手を繋いだ。 中条のスベスベの肌が俺の腕に当たる。 月は俺らを優しく照らしながら祝福してるかのように思えた。 「ずっと手を繋ぎたかった。いつも矢田部君側の手は空けといたのに、気付いてなくて……」
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