221人が本棚に入れています
本棚に追加
中条はびっくりしたような顔で俺を見上げていた。
俺は手を離してしまった。
「あっ!ごめん!」
沈黙が続く。
「矢田部君。一緒に手を繋ごう?」
中条はそう言いながら俺の手をにぎった。
小さな手で可愛らしく、そして、ぎこちなくて俺と一緒に手を繋いだ。
中条のスベスベの肌が俺の腕に当たる。
月は俺らを優しく照らしながら祝福してるかのように思えた。
「ずっと手を繋ぎたかった。いつも矢田部君側の手は空けといたのに、気付いてなくて……」
最初のコメントを投稿しよう!