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「無理すんな。
…その辺で都合良く事故でも起きてりゃあ…」
「…その様だ」
見ると、彼女の呼吸が いつの間にか落ち着きを取り戻していた。
「…事故か?」
「多分な」
彼女の後ろで影がざわめく。
「大人しくしてろ
下っ端共」
俺の唸り声に
影達が静まる。
「鮮血(ち)の匂いがする…
それも…人間のだ」
言って
彼女がゆっくりと顔を上げる。
「行(ゆ)くぞ手下共
私に従わなかった者は…」
そして振り返る。
「その命をもって贖え」
その瞳の色は
鮮血の如く
紅く輝いていた。
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