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…ありゃ、……もしや地雷?
「ねぇ?今、なんて言ったの?」
俺は答えず、真由美をおぶったまま駆け出した。
ぐんぐんスピードを上げる。
「わわっ!?ちょっと、優君!?」
「乗せてるのも忘れるくらい軽いって言ったんだよ~!!」
自分でも白々しいのは分かるが、今はいい答えが見つからない。
「…もう、優君のバカ」
なんとか誤魔化せただろうか?
『小さい頃から比べると、ちゃんと色々成長してるんだなぁ』なんて暑さでぼーっとしながら、そんなことを考えていたのがバレなきゃいいが…。
校門の前には、柔道部の顧問をやっている体育教師の郷田(ごうだ)が仁王立ちで俺達のことを待っていた。
「おい鮎川。堂々と遅刻してきて、朝から青春かぁ?」
待っていたと言っても、もちろんその表情に歓迎の色はない。
とりあえず、怒られるのは後だな。
先に真由美を保健室につれていかないと。
「こいつ、足を挫いたみたいなんで。保健室へ行ってきます!!」
「おぉ、そうか。そいつは大変だ、連れて行ってやれ」
あら?意外にすんなり怒られずにすみそう?
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