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「…おい。誰が、いつ、誰の、玩具になったんだよ」
「だから、鮎川が、初めから、私の、玩具だって言ってるじゃない」
…くっ、揚げ足を取りおって。
「論点はそこじゃない!だいたいなんで俺が好き好んで、お前のよーな奴の所有物にならなきゃならんのだ」
「…ふっふっふ。私にそんな口の効き方をしていいのかしら?鮎川君?」
黒森は不敵な笑みを浮かべている。
「な、なんだよ?いきなり」
こいつから『鮎川君』なんて呼ばれと、絶対何か企んでるんじゃないかと勘ぐりたくなってしまう。
「ここで、問題です。さて、これはいったいなんでしょう?」
黒森は自分の鞄の中から、ある物を取り出し机の上に置いた。
「なっ!?お、お前それはっ!?」
「そう。これは『第一期 食玩リアルオジさんフィギュアシリーズ』の前に製作された幻の一品、『プロトタイプオジさん』よ」
そんな事は説明されなくても分かってる。
『プロトタイプオジさん』は、日本にわずか数十体しかないレア物である。
『食玩リアルオジさんフィギュアシリーズ』。その何ともいえない愛嬌ある表情と哀愁漂う作りから、一部の熱狂的なコレクターに人気をはくし、現在では第三期まで製作されている。
その始まりとなったフィギュアが、この『プロトタイプオジさん』なのだ。
食玩フィギュアをコレクションする者には喉から手が出るほど欲しい代物だ。
ちなみに俺もその熱狂的なコレクターの一人である。
「お、…お前これ、ど、どこで手に入れたんだよ?今じゃネットオークションにも出品されていない代物なのに…」
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