あるいは選択肢という名の可能性

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 部長は海老の尻尾だけ残った箸を見ながら、ガタガタ震えている。 「ど、どうしたんです?部長?」  俺も慌ててみせた。 「唐揚げが、え、海老天に進化してますです…」 「な~んだ。部長~、良かったじゃないですか~。明日の朝には猫耳と尻尾付で語尾が『にゃ』ですね!きっと似合いますよ♪」 「こ、困りますですよ」 「あれ?さっきは『可愛くていい』みたいなこと言ってたような…」 「あれは、噂が冗談だと思っていたからです!」  新山部長は面白いくらいに動揺している。 「そ、そうだ!優人さん!!」 「どうしました?」 「その猫耳姿の少女は、その後どうなったんですか?もちろん、無事に人間に戻れたんですよね?」  部長必死だな~。まるで初めてのお使いで迷子になった小学生みたいだ。 「え~と。たしか…、王子様の熱いキスで戻ったとかなんとか…」  俺もまさかそこまで聞かれるとは思っていなかったので、滅茶苦茶なことを言ってしまった。  くそ、詰めが甘かったな。なんだよ王子様って…。自分のボキャブラリの少なさにがっかりだ。次からはもっと先の作戦プランまで作らなければいかんな。  ふにっ  俺が次の作戦プランを考えていると、突然、唇に柔らかい物が触れた。  ん?なんだ?
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