あるいは選択肢という名の可能性

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 目を開けると、目の前には新山部長のドアップ顔がある。  うわぁ~、まつげ長いな~。肌もキメが細かくて綺麗だし…。  違っ!今必要な事はそんな情報じゃない!なんだこの状況は!  互いの唇と唇が重なりあって、俺と部長はキスをしていた。  なに冷静に分析してんだよ俺っ!!  俺は慌てて新山部長を引き離すと、辺りを見渡した。  奥の席だと言うこともあって誰かに、見られた様子はない。 「い、いきなりなにするんですか部長!?」  俺は周りの注目を集めないように自然と小声になったていた。 「え?呪いを解いただけですよ?」  新山部長は、『ほっ』とした顔で答える。 「……うっ」  恥ずかしい。自分でも顔が真っ赤になるのが分かる。  まずい、ここまで来てしまうと今更『嘘でした~』なんて言えない。  罪悪感が襲ってきた。  畜生!こうなりゃヤケだ。 「あはは…。よっ、よかったですね!呪いが解けて!」 「はい、今日は安心して眠れますですよ♪」  俺は、定食Gセットを胃袋に流し込み席を立つ。 「ご、ゴチソウさまデシタ!さ、先に部室に行ってまス!」 「はい、いってらっしゃいなのです優人さん」  俺は真っ赤になった顔を、誰にも見られないように、下を向きながら部室へ向かった。
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