あるいは選択肢という名の可能性

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 彼女が欲しい。  寂しい現状におさらばして、若者らしく、くすぐったい青春を謳歌したい。  そんなささやかな願いを叶えに、俺は単身で白神神社に来ている。 「他にはなにもいりません。神様!俺に可愛い彼女を下さい!!」  賽銭箱に一万円を投入して一心不乱に拝んだ。  ここは地元でも有名な縁結びの神様が奉られていて、成就率も高いらしい。  高校2年の夏休み初日、  『白神神社の賽銭箱に一万円を入れて一心不乱に拝むと良縁に恵まれる』  俺は、そんな半ば都市伝説になりかけている噂を聞きつけて、電車に揺られてやってきた。  彼女が出来る為なら、片道に一時間かかろうが気にしない。  夏休みを彼女無しで過ごすことに比べたらこんな苦労はどうってこと無い。  『努力する方向性が違う』とか、『神頼みでどうにかなるわけないじゃん』とか耳が痛くなる言葉が聞こえてきそうだが気にしたら負けだ。  頑張れ俺!負けるな俺!  神様!俺にも彼女を!!  念入りに参拝した。  この10分間の信仰心は、歴代の高僧達にも負けないと思う。  これだけやればきっと彼女の一人や二人出来るはずだ。   やれることはやった。 「さーて、帰るかな」    一仕事やり終えた俺は、来た道を戻り帰ることにした。  
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