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鳥居の前にさしかかると元気な声が聞こえてきた。
「おみくじは、いかがですか~?」
可愛らしい巫女さんが小さな屋根付きの売り場でおみくじを販売していた。
「うちのおみくじはよく当たるって評判なんですよ~♪」
炎天下のなか、暑そうな巫女装束に身を包んだ少女は汗を拭いもせず笑顔で商売に勤しんでいる。
まったく、暑いのに営業スマイルとはご苦労なことである。
「ほんとによく当たるんですよ~♪」
まぁそこまで言うんなら、参拝も済んだし、今の運気は最高潮のはずなので景気よく大吉でも引いてみますかね。
俺は300円を支払い引いてみた。
「おいおい…、マジかよ!」
そこには、目を覆いたくなるような言葉が書かれていた。
『大凶 女難の相がでています♪女性関係には注意が必要ですよ』
なんだこれは?大凶?普通入れないんじゃないか大凶なんて?
「あれれ!?そのくじ抜いていたはずなんですけど。なんで入ってるのかしら?」
巫女さんまで頭に『?』を浮かべながら首を傾げている。
俺が聞きたいわっ!!
「でもでも~。大凶引くなんてことめったにありませんから、逆に運が良いのかもしれませんね~♪」
「引き直しできますか?」と聞いたら、「三百円になります♪」と満面の笑みで返された。
この巫女、なかなかの商売上手である。
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