Ⅰ.始まりの時

2/6
12008人が本棚に入れています
本棚に追加
/218ページ
ここはマジシャンズ大陸と呼ばれる大陸の中心に位置する国、セントラル王国。 人里離れた山奥に若い少年、少女が沢山集まっている。今日は王立アーク魔法学園の入学試験が実施されている。 「緊張するな…落ちたらどうしようか」 心配そうに人混みに紛れている一人の少年。歳は15、6に見える。跳ね上がった赤い髪に、赤い瞳。整った顔は異国の雰囲気を与える。 「今から入学試験を始める名前を呼ばれたら返事をしろ」 若い女性の声が辺りに響き渡る。空か、地か、何処から聞こえたのか解らない声に、不安を隠せない様子の少年達。 「入学試験ってここでするのだろうか?こんな青空の下でありえないな」 少年が文句言うのも当然、こんな何もない山奥で試験なんて……。周りにあるのは、申し訳程度に生えている木。足元の地面にここにいる人間を全て包む程の巨大な魔法陣がある事に少年は気付いていない。 「カイト=ロンド」 「早速俺……はい!ってあれ?」 突然少年(カイト)は白い光に包まれる様にして、消えた……。
/218ページ

最初のコメントを投稿しよう!