Ⅰ.始まりの時

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突然名前を呼ばれ、気が付くと景色が変わっていた。薄暗い部屋に明かりは、松明と目の前に置かれた不自然に白く光り輝く水晶玉。 水晶の奥には、一人の女性が座っている。青い髪をポニーテールにしており、目付きは鋭く威圧感が漂っている。 「急にこんな場所に来て驚いたかカイト=ロンド?」 刺々しい声で語りかける女性。 「驚きますよ。魔法を体験したのは初めてですからね」 「まぁいいさ。これから嫌と言うほど身を持って体験出来るからな。試験は水晶に手を翳すだけでいい。そもそもここに呼ばれた時点で合格は決まっている」 「翳すだけでいいんですね。わかりました」 一歩前に進み、水晶に手を翳すカイト。翳すというより、触れると言った方が正しいかもしれない。 カイトの手が水晶に触れた瞬間目に見える変化が水晶に現れた。中心から燃えるように赤く染まり、すぐにそれは、水晶全体に広がり、部屋全体を真っ赤に染め上げた。
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