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「こんにちは。宅急便です。」
「はいっ」
私は鏡で変なところがないか急いで確認する。
「お待たせしましたっ。」
私は笑顔でいう。
「今日もお届けものです。」
あいかわらずの笑顔だ。そっくりだけどやっぱり秋葉とは違う。優しさが溢れ出ている。でも秋葉そっくりだったので私はじぃっと見てしまう。
「なんかありました?」
私の視線を強く感じたのか宅急便やさんは聞いてきた。
「いっいえ……」
私はまた顔が熱くなるのを感じた。
そのときだった。
「あっそうそうこれっ。」
宅急便やさんが白い封筒を私に渡す。
「何ですか?」
「最近いろいろと、もらっちゃったりとかお世話になってますから。お礼っていったらへんなんですけど。会社でタダで配られたサッカーのチケットなんですけどね。。日本代表戦だし。楽しいと思って。」
「うわぁ~」
封筒を開けてみるとサッカーの試合のチケットが2枚入っていた。
「ありがとうございますっ!私サッカー好きなんです!」
「よかった。じゃあ。」
宅急便やさんがいこうとした。そして私は心の奥底にあった小さな勇気をふりしぼった。
「あのっいっ一緒に……」
「えっ?」
「これっ一緒に行きませんかっ!?」
私は目をつぶって答えを待った。いってしまったけどまだドキドキがおさまらない。足が震える。
少しの沈黙が流れる。
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