61人が本棚に入れています
本棚に追加
そのとき放送が流れる。
「まもなくキックオフでございます。みなさま御席につかれるよう……」
「じゃあいくか。」
「うん…」
そのときだった。
「じゃあ秋葉は1人で自由席でみてね。」
珞葉さんがぐいっと私のことをつかんで引き止める。
「え?」
私と秋葉は同時に言う。
「俺達指定席なんだ。ごめんね。じゃっ風更ちゃんいこっか。」
珞葉さんが秋葉をおいて離れていく。そして私はいった。
「珞葉さんっ。この前珞葉さんにもらったチケット自由席だったんじゃないんですか?」
「ん~?自由席だよ?」
「じゃあなんで…?」
珞葉さんがにっこり笑っていった。
「誰がそのチケット使うっていった?」
「へっ?」
「はい。こっちが本命。」
というと、珞葉さんはマジックでもするかのようにチケットをとりだした。
「え…なんでですか!?指定席なんて高いのに!」
「まっとりあえず入ろっ。サッカー始まっちゃう。」
最初のコメントを投稿しよう!