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私は何も言わずに、おじきをして考えながら部屋に戻った。戻ってみると浴衣姿の秋葉がふとんにいた。
「秋葉……」
「あっ風更、戻って来たんだ…」
少し秋葉も緊張してる様子だった。この場所。この雰囲気。私は秋葉と寝ようとしてるのだということを思い返した。私はふとんに座った。
「そっ外きれいだよな~」
秋葉が焦ってる。なんかそんなの初めてでびっくりしてしまう。
「そ…そうだね…」
私はつい目をそらしてしまう。
「風更…」
秋葉が私の名前を呼ぶ。
私達は見つめ合う。そして私は秋葉にゆっくりと押し倒されていく。あぁ…私は秋葉と結ばれるんだなって思った。そのときだった。
『あなたが今何かいいたいって思ったとき、誰が頭に浮かんだの?』
さっきの奥さんの声がよぎる。そして私の頭の中に浮かぶ、私の好きだった。大好きだった。ちょっとした、ささいな出来事で立っていられなくなるほど好きだった。会話ができたとき心が震えて泣きそうになった…彼の笑顔が大好きだった……そんな……そんな…とってもとっても大切な人…。
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