october fall-en leaves

34/38
前へ
/38ページ
次へ
私は何も言わずに、おじきをして考えながら部屋に戻った。戻ってみると浴衣姿の秋葉がふとんにいた。 「秋葉……」 「あっ風更、戻って来たんだ…」 少し秋葉も緊張してる様子だった。この場所。この雰囲気。私は秋葉と寝ようとしてるのだということを思い返した。私はふとんに座った。 「そっ外きれいだよな~」 秋葉が焦ってる。なんかそんなの初めてでびっくりしてしまう。 「そ…そうだね…」 私はつい目をそらしてしまう。 「風更…」 秋葉が私の名前を呼ぶ。 私達は見つめ合う。そして私は秋葉にゆっくりと押し倒されていく。あぁ…私は秋葉と結ばれるんだなって思った。そのときだった。 『あなたが今何かいいたいって思ったとき、誰が頭に浮かんだの?』 さっきの奥さんの声がよぎる。そして私の頭の中に浮かぶ、私の好きだった。大好きだった。ちょっとした、ささいな出来事で立っていられなくなるほど好きだった。会話ができたとき心が震えて泣きそうになった…彼の笑顔が大好きだった……そんな……そんな…とってもとっても大切な人…。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

61人が本棚に入れています
本棚に追加