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…そうだ、何か手掛かりが落ちているかも知れない、と陽は正門前に走って行った。まだ帰って行く人はいない。
「確かここでぶつかったんだよな…」
その時の事を思い出して、改めてちゃんと謝ろうと陽は思った。
ハンカチなど都合のいいものは落ちていない。結局見つかったのは一つのボタンだけだった。Yシャツのでもブレザーのでもない。手掛かりになるかも知れないと陽はそれをポケットに入れた。
校庭のステージからアナウンスが流れ出す。始まるようだ。陽は正門の側から芝生の丘を下り、近くへと寄って行った。
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