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シュタッと屋根裏から降りた秋徒は顔を頭巾で隠していた。高杉はいたって普通で、労咳にかかっているようには思えなかった。
「吉田が今夜にでも池田屋に集
まり、この先の事を話し合う
そうだ」
桂のは想定外で高杉に真意を問い詰めようと思っていたが、できずにいた。
「わかった。吉田に行くと伝え
てくれ」
それを聞くと秋徒は久坂の元へと向かった。
「秋徒と話さなくて良かったの
か?」
「あぁ」
あまり長く此処にいて移りでもしたらこまるしな。残り少ない命で何ができるか…。日本でできる事、そして秋徒に何かしてやれる事はあるのだろうか。
秋徒は少なからず、沖田に出会い変わり、女として生きる道を考えたはずだ。
忍びとしてではなく、女としての生きる道ー…
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