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「居るんだろう!」
秋徒は無言を決め込んでいた。気配など吉田にはバレていたのだろうが…。桂の考えを無駄にするわけにはいかなかった。
だが……
「幕府なんかの為にっ…」
本当なら門を開けたかった。それはこの藩邸に皆がそう思っている事。それを無碍になどできるはずがない。
「先生…許してくれますか…」
スッと刀を抜く音が聞こえた次の瞬間肉の引き裂く音が聞こえ、小さな声がもれて聞こえて…途切れた。
「吉田……」
自害したのだと、わかった。望月と同じく。こんな板一枚の向こう側にいる仲間を救う事が出来なかった。
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