血の雨

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  新選組は池田屋で戦闘を終え、明るくなるまでその場で待機をしていた。沢山の者が負傷し手当てを受けていた。 「総司!」 「土方さん…」 「お前…大丈夫なのか」 力無く頷く沖田に土方は眉間の皺を濃くした。熱中症で倒れた沖田は戸板の上に横になっていた。 「ったく。心配させるじゃねえ  よ……総司…」 少し声色を変えた土方は江戸にいた頃の様な表情をしていた。どうしたのかと思い問えば。 「秋徒はいたのか?」 何かと思えば、そんな事を聞いてきた土方に沖田はため息をついた。 「いませんよ…」 「本当か?もしかしてた「あり  えませんよ」 弱々しく答えていた沖田が秋徒の話になればそれが嘘の様に思えた。 「秋徒は私が倒すんですから」 「そうだな…」  
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