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「沖田さん！」
沖田の元へ駆け寄ってきたのは桜井数馬。沖田はまだ何も気づかずに桜井数馬を仲間として心配をしていた。
「桜井さんは、大丈夫ですか？」
「大丈夫です！それよりも沖田
さんはどうなんですか…倒れ
たって……」
「ただの熱中症なのに、皆心配
し過ぎなんですよ」
クスクス笑う沖田に桜井と土方は苦笑いを浮かべていた。同じ思いをしているはずの三人だが、心に考えている事は全く別であった。
土方は心の片隅で疑問を持っていた。桜井数馬と言う人間に。沖田は完璧に信用しているのがみてわかる。だが、それが可笑しい。試衛館の者ならまだわかる、沖田はそう簡単に隊士をこんな簡単に信用するのだろうか。
可笑しいのはそれだけではない……
「副長？」
「なんだ？」
桜井に声をかけられ驚いた内心を隠す土方。
「土方さん、眉間に皺よりすぎ」
またクスクス笑う沖田に土方は調子を崩し、考えるのを止めた。それを深く考えていたのなら土方は気づけたのかも知れない、桜井数馬と言う人間の真実に。
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