血の雨

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   池田屋から暫くがたち。長州は新選組に対する怒りで我を忘れている者もいた。 その中で桂は冷静に世をみていたが、池田屋で新選組や会津藩に対し怒りを抑え切れなかった者達が意志を募っていた。 三国老の福原、国司、益田等が会津・薩摩に報復の為に朝廷に汚名を注いだとして「藩主の冤罪を帝に訴える」ことを目的に挙兵した。 それを知った会津や薩摩は黙っているはずも無く、戦闘に備えていた。 「総司、身体は大丈夫なのか?」 「大丈夫ですよ。近藤さんは戦  の心配をしていて下さいよ」 ニコッと笑う沖田は健康そのものの様に見えるが、池田屋から帰ってからというもの体調が優れていないのはわかっていた。 「無理をするなよ」 「大丈夫ですよ。私がいなきゃ  どうなる事だか」 クスクス笑う沖田に土方が喝をいれる。それすらもクスクス笑いながら交わす沖田を少し離れた所で桜井数馬はみていた。  
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