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…「はぁっ!?」
夕菜は訳の分からないことを口走るポールを睨んだ。
「何訳わかんないこと言ってんの?鎖がどうとか戦いとか…からかうのもいい加減にして。どんな仕掛けかはしらないけど。警察に通報するわよ?」
「辞退されれば…自動的に清田様の勝利ということになり、村雨様には清田様と結婚していただくことになりますが。」
ポールは夕菜のことなど気にもとめずに淡々と述べる。
「もちろんそんなことのぞまれていないですよね?」
「清田の知り合いの嫌がらせ?」
夕菜が思い切って携帯を切ろうとすると、ありえないことが起こった。
画面からポールが出て来たのだ。まるで某映画の貞子のように…。
「いっ…!?」夕菜はその場に凍り付く。
ポールはゆっくりと携帯から抜け出し、夕菜の胸倉を掴んだ。
「清田と結婚したくないのなら、私の話を聞きなさい!」
夕菜はそのあまりの気迫に圧倒されてしまった。
ポールはそれを見て、はっとした様子で夕菜から手を離すと、悲しげに言った。
「これでわかったでしょう?これは夢でも、誰かのいたずらでもないと。」
夕菜はポールを見つめ、頭がパニックになりそうなのを必死に抑え、ゆっくり頷いて言った。「話を…詳しく、最初から聞かせて。あなたが何者なのかも。」
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