力はOJ!?

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しばらくして、ポールはニコニコして言った。 「終わりました。」 夕菜は神妙な顔をして尋ねた。 「で?私の力はどんな?」 「とっても素敵な力…その名もOJフォースと言います。」 「OJフォース?」 夕菜はその強そうな響きに、まるで自分が正義のヒーローか魔法使いになったかのような錯覚を覚えた。 「ご自分で確かめてみて下さい。先ほどのジュースを思い浮かべながら人差し指でこの指とまれです。」 夕菜は不思議に思いながらも指示通りにした。 次の瞬間! 夕菜の人差し指からあるものが勢いよく天井に向かって発射された。 それは… なんと、オレンジジュース。。。 夕菜はポールに怒鳴る。 「力って…これぇ!?」 「はい。素敵且つすごい力ですよ。」 ポールは誇らしそうに胸を張って語り出す。 「あなたに与えた力は、オレンジジュースを自在に操ることができるというものです。すごくないですか?」 「すごくねぇよ!この力で戦えと!?」 夕菜は思わず口から出たツッコミに、自分の素はツッコミキャラだったんだと少し自覚した。 と、それはひとまず、 「ってかさっきめっちゃカッコいい名前だったじゃん…確かOJ」 そこまで言って夕菜は恐るべき事実に気付いてしまった。 「オレンジジュース…Orange Juice…OJ!?」 ポールは満足そうに頷いた。 「え゛ぇぇぇぇ~!?」 夕菜の叫び声が店内にこだました。
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