13人が本棚に入れています
本棚に追加
その途端、ポールの頭に『欲絆の鎖』のことが流れ込んで来た。
ポールは思わず友人に聞いた。
「どうして…どうしてそこまでしてあなたは…?」
友人の体はもう薄れかかっていた。
消えはじめているのだ。
友人は、まだ消えていない左手でポールの顔を引き寄せてキスした。
突然のキスに、ポールは赤くなって戸惑う。
そんなポールに友人は一言だけ告げた。
「それが…あなたを愛した女の宿命ってやつだから…」
ポールは友人を抱き締める。
「駄目だ…消えちゃだめです!」
…彼女の体が、声が、笑顔が…ポールの腕の中で消えていった…
最初のコメントを投稿しよう!