力の理由

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その途端、ポールの頭に『欲絆の鎖』のことが流れ込んで来た。 ポールは思わず友人に聞いた。 「どうして…どうしてそこまでしてあなたは…?」 友人の体はもう薄れかかっていた。 消えはじめているのだ。 友人は、まだ消えていない左手でポールの顔を引き寄せてキスした。 突然のキスに、ポールは赤くなって戸惑う。 そんなポールに友人は一言だけ告げた。 「それが…あなたを愛した女の宿命ってやつだから…」 ポールは友人を抱き締める。 「駄目だ…消えちゃだめです!」 …彼女の体が、声が、笑顔が…ポールの腕の中で消えていった…
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