雪の舞う日に

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夕菜は溜め息をついて電車が来るのを見つめていた。 と、突然後ろから肩を叩かれた。 驚いて振り向くと、自分と同じ学校の制服を着た、1人の地味そうな男が息をゼーハーさせながら立っていた。 同い年のようだが、ひょろりと長身で、天然パーマの髪に青色の眼鏡、タラコ唇、極め付けの面長… (無理…こういうタイプ) 夕菜は嫌に思いつつも、笑顔で対応する。 「あの…なに?」 男はすごい勢いで夕菜に1枚の紙切れを握らせた。 そして一言 「いらんかったら破って捨てて…!」 夕菜が口を開く前に男は走り去ってしまった。 夕菜は紙切れを見つめる。ある考えが浮かぶ。 電車が止まり、ドアがゆっくりと開く。 夕菜には、その開いたドアが、希望の光への道に見えた。 紙切れを捨てずに、強く握り締めた。 (私は…変われる!) 夕菜は一つの決意を胸に、ゆっくりと電車に乗り込む。 やがて電車は走り出す。もう降りることのできないであろう未来へ…
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