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夕菜は自分の部屋でもずっと、紙切れを握りしめていた。
そこにはあの男のメールアドレスが書かれていたのだ。
夕菜は完全に男が誰なのか悟っていた。
「清田…正樹か。」
以前から自分に好意を持っていると聞いたことがある。
(確か隣りのクラスの…根暗な奴。)
清田正樹は男女問わず友達がいなく、ぱっとしない男でもあった。
夕菜とは当然釣り合うような男ではない。
普通なら相手にしないだろう。だが夕菜の表向きは誰にでも優しい優等生…
夕菜は電車に乗った時の決断を思い返した。
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