汚損

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君に触れると僕の左手は ほんの少しだけ薄くなる 澄んでいた君の右手は いつのまにか灰になる 負の想いを溜め続ける君の頭の中に 僕は家を建てる 3日ですぐに埃が溜まるんだ 換気もせず 光も当てず じめじめじめじめ 蛇口から溢れ零れた台所はカビだらけ 柱は腐って今にも倒れそうだ その隣の部屋 痩せた木の上 木製のベッドだけはいつも 綺麗なまま あぁ…僕の手はすぐもとに戻ってしまう …君の手はもとに戻ることがないまま
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