僕ときりぎりす

3/6
前へ
/189ページ
次へ
数日経ち、雪がぱらつく。 寒空は、凍えながら歩く僕を見下している やっと仕事を終えて家路に着く 夏場に作った貯金箱は 気付くと一杯になっていた。 これでなんとか凌げるはずだ 小さな部屋、寒いけれど… ほっとする 古びた毛布を3枚重ねて泥のように眠る …明日で働き納めだ がんばろう。 翌日 トンネル工事も一段落 今度は冬を越えるだけの体力を作ろうか。 色々と考えながら家路につく。 家の扉を開けると 部屋の真ん中にきりぎりすが座っていた
/189ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23人が本棚に入れています
本棚に追加