僕ときりぎりす

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なにをしているんだ‼ 大きな声で散らすと きりぎりすは小さな声で話を始めた …どうやら僕は朝、鍵を閉めずに 出掛けたらしい。 盗難にあわないようにと きりぎりすは僕の家を 守っていてくれたのだ きりぎりすとゆっくり話をするのは これが初めてだ。 話せば話すほど見る目が変わる …少しでも彼を疑った自分が恥かしい。 きりぎりすはホストをしているらしく 毎晩、飲み歩いていたのは お客との顔つなぎのためだった。 収入が僕の倍以上あることに 少なからずショックを受ける。 しかし、大半が 故郷に一人居る母の入院費となっていて 冬を越すだけのお金が無いという。
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