23人が本棚に入れています
本棚に追加
きりぎりすの父親は、彼が幼い時に
女をつくって逃げたらしい。
相当な悪人だったと、20分ほど話を聞く
最後に笑いながら
左手の長袖をめくりはじめると
肘のすこし上に古い刺し傷が覗く。
彼の人生がどのようなものであったかを
…ただただ無言で語る。
かわいそうなきりぎりす
悪夢ばかり見ていたのだね
彼が冬を乗り切れず
死んでゆく?
僕は無力か?
僕に何か出来ることはないのだろうか。
このまま助けずにはいられない。
最初のコメントを投稿しよう!