僕ときりぎりす
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無人の家から この蟻の形をした貯金箱を持ち去る 無言でそれを壊し金を握る …それが普通ではないか。 彼はそれをしなかった お金は一人分しかないのは知っている 二人とも飢えて死ぬか 生きて春を迎えることができるか 凍える程寒い朝 髭を剃りながら 鏡を覗く いつもそこにはきりぎりすがいる 大丈夫、 まだ僕たちは生きている
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