時量

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雄大な自然の中にそびえ立つ、3180mの山を登る。なぜかって? 頂上には不思議な力を持つ老婆が住んでいるらしい。 さすがに山の上には何も無いから、物を持っていくと高く買ってくれると聞いた。 やっと八合目だ…ここまで3日もかかったよ。何度死ぬ思いをしただろう。 山麓はワラビやフキが芽をだしていたのに ここはまだ土が見えず、枯れ木と雪だけが視界に広がっている。 流れる時は高さで変わるのだ。 溶けだした山道の雪に生き物の足跡はなく ただただ孤独を感じる。 …?おぉ… 似つかない家屋が目に入る …やっと辿り着いた。 切らした息を戻し生唾を飲む。 期待に胸を膨らませドアを叩く …トントン 現われたのは どこから見ても20歳くらいにしか見えない 細目の美しい女性だった。
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